醤油はもはや世界でもっとも有名な調味料の一つとなったといっても過言ではありません。
フランスのシェフたちも、特に若い世代は、「Soja(=醤油)を」と躊躇なく使っています。和食ブームにより急激に広まった感は否めませんので、ホンモノの醤油はきちんと認識されていないようにも思えます。日本人なら、外国の人たちに、「本物の醤油とは、こういうものだ」と自信持って言いたいですね。
『丸大豆再仕込み醤油 梶田泰嗣』は、色が本当に深い黒みが印象的で、フチにはマホガニー色がみえます。これはまさにエキス分の濃度の高さを示しています。スーパーなどで一般的に市販されているものと比べるとその差は歴然としています。 香りは大変豊かで大豆をはっきりと感じ取ることができます。干しぶどうや杉の木のような印象もあります。加えてクレームブリュレ、熟成させたバルサミコ酢、八角や丁子といったスパイスの香りもあります。
味わいは丸みがあり、やわらかい口当たりです。全体に厚みがあります。おだやかな旨味はまろやかさの中に調和しています。一般的な醤油には旨味が強く感じるものがあり、それが醤油らしいと認識してしまうところが、ありますが、その旨味は付け加えたもので、味わい的には浮いているということが、この丸大豆再仕込み醤油との違いとして感じられます。
この醤油の活用法はシンプル。豆腐、湯葉、長芋、とろろといった味わいの優しく、シンプルなものに、たっぷり漬けて醤油の味わいを楽しんでいただきたいです。最初は少し濃厚で塩味が気になるかもしれませんが、甘みと旨味マイルドな後味となります。
「醤油のつけ過ぎ」の心配がいらない醤油なのです。

フランス料理やイタリア料理といった洋食では、まさに熟成させたバルサミコのような使い方が考えられるのではないでしょうか。
カルパッチョやニース風サラダ、鮮魚のグリル、牛肉のステーキにパルメザンとルッコラ(タリアータ)などに、数滴この醤油を垂らすだけで、その芳醇な風味が味わいに深みを与えてくれるはずです。
                                       ソムリエ 石田 博

石田 博

石田 博 profile
1969年9月22日 東京出身ホテル専門学校卒業後、
1990年 ホテルニューオータニ入社。ソムリエを志す。
1994年 よりレストラン ラ・トゥール・ダルジャン、フランス伝統の料理とサービスを学び、ソムリエとしてのキャリアをスタート。
1996年 第1回全日本最優秀ソムリエコンクール優勝
1998年 第9回世界最優秀ソムリエコンクール日本代表
1998年 第10回フランスワイン&スピリッツ全国ソムリエ最高技術賞優勝
1998年 第2回全日本最優秀ソムリエコンクール優勝
2000年 第10回世界最優秀ソムリエコンクール第3位
2004年 ベージュ アラン・デュカス 東京 ダイニングマネージャー
2008年 同店総支配人
2010年 東京都優秀技術者(東京マイスター)知事賞受賞
2011年11月 厚生労働省 現代の名工(卓越した技能者)受賞



(現職)
- レストラン アイ(神宮前) シェフソムリエ
- ホテル日航東京(台場) エグゼクティヴ・シェフソムリエ
- 社団法人日本ソムリエ協会 常任理事兼技術研究部部長

(講演、執筆、コンサルティング、教育活動)
- 宿屋大学 『ソムリエ・マネジメント』(講演)
- 遠藤商店(遠藤利三郎商店/向島葡萄亭)(コンサルティング)
- 『お値打ちワイン 厳選301本』(講談社)(出版)
- 連載コラム『Dear Sommelier』http://www.exwine.com/(執筆)
- ブログ 『Sommelier’s note~ソムリエのネタ帳』http://h-ishida.blog.openers.jp(執筆)